@article{oai:takushoku-u.repo.nii.ac.jp:00000181, author = {澤田, 次郎 and Sawada, Jiro}, journal = {拓殖大学論集. 人文・自然・人間科学研究, The journal of humanities and sciences}, month = {Mar}, note = {本稿は青年期から六十代にいたる新渡戸稲造のアメリカ観をトータルに検証し、彼がアメリカに対していかなる心理的葛藤藤を抱き、それをどのように克服しようと試みたかという点を考察するものである。そこで明らかにしたことは以下の三点である。 第一に新渡戸は、早くから学問、宗教の両面において「学ぶべき教師」の国アメリカのイメージを深め、アメリカ留学時は政治経済学や歴史学、クエーカー教義を受容するだけでなく、周囲のアメリカ人の善意を体験した。留学を終えた後は円満で常識的なアメリカ人と接し、アメリカ社会の自由と民主主義に対する理解を広げつつ、かねてから抱くエイブラハム・リンカンへの敬愛を持続した。第二に新渡戸は、日露戦争後、アメリカで現れた黄禍論的な排日論の挑戦を受ける形となり、日米両国民に対して融和と相互理解を訴えた。ただしアメリカの反日論者の主張に対しては強い怒りを感じており、その心はアメリカへの好意と怒りの相反する心情の間を揺れ動いていた。第三に新渡戸は、アメリカで一九二四年移民法(いわゆる排日移民法)が成立したことに衝撃を受けたが、アメリカ人の回復力を信じ、将来アメリカ人自身の手で同法の改正がなされることを期待することによって、アメリカへの怒りを抑え、心理的葛藤を克服しようと試みた。}, pages = {25--56}, title = {新渡戸稲造のアメリカ観 ―心理的葛藤とその克服の試み―}, volume = {41}, year = {2019}, yomi = {サワダ, ジロウ} }