@article{oai:takushoku-u.repo.nii.ac.jp:02000058, author = {犬竹, 正幸}, issue = {50}, journal = {拓殖大学論集. 人文・自然・人間科学研究, The journal of humanities and sciences}, month = {Oct}, note = {本論考で筆者は,カントが晩年に書きためた遺稿集『オプス・ポストゥムム』のテーマが,経験の体系的統一を可能にする質料的条件の究明にあったとする解釈を提出する。カントによれば,物質の種別的差異を成り立たせる諸々の経験的運動力が,単なる寄せ集めではなく一個の体系を形成するためには,それら一切の経験的運動力がそこから派生すべき,根源的元素(エーテル)の存在が要請されねばならない。エーテルは従来,熱や光を伝える媒体として想定された自然哲学上の仮説であったが,カントはここで,エーテルを(体系としての)経験の可能性のアプリオリな(質料的)条件として資格づけたことになる。この資格づけの正当化を図った論証が「エーテルの演繹」に他ならない。カントはそこで,空虚な空間の知覚可能性如何の問題と関連づけてエーテルの存在論証を行っている。筆者はこの存在論証を首尾一貫したものとみなす解釈を提示したが,批判哲学の体系的整合性の観点から見たとき,この論証は重大な問題を後に残したと考えられる。}, pages = {1--23}, title = {カントの『オプス・ポストゥムム』におけるエーテルの演繹論について ―知覚と体系的経験のあいだ―}, year = {2023}, yomi = {イヌタケ, マサユキ} }